「医療経済」掲載中:<続報>希少疾患の高い薬剤の治療コストは?

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希少疾患の治療費は高額だ。一番の相違は各国の保険制度の違いによって、いくら良い治療法があっても患者側・支払い側(プライベート保険含む)にも双方に支払へのフラストレーションがある。治療薬があってもアクセスできない。貧富の激しい国では治療が出来ない。

この解決方法は日本とだいぶ違っている。まず、製品の価格にディスカウントやTIERがある。(同じ製品でもいくつかの違う価格帯で販売する)それを上回るのがその疾患に関する基金の存在だ。

特に新興国でのメディカルアクセスの問題が非常に多く上がっていた。80%の希少疾患は遺伝性の疾患であり、多くは幼少期から発症する小児疾患であることが分かっている。ただ、そういった遺伝性疾患を診る医師が国のどこの施設にいるのか、また潜在患者や未治療の患者はどこにいるのか? (多分これは日本でも共通の課題だと認識している)そのために早期診断が遅れ重症化し、患者や家族が情緒的、倫理的な破滅に追い込まれ自殺する例も少なくないそうだ。そのための精神科医師またはそれに代わる専門家のサポートが必ず必要になるということも強調されていた。早い段階からのスクリーニング検査、精度の高い疫学調査、これは医師や病院指導でアカデミアのサポートを受けながら実施しないと難しいだろう。スエーデンのカロリンスカ大学病院の希少疾患センターがストックホルム市政の援助を受けて活動している様子も紹介された。加えて医師の情報公開やグローバルでの疾患レジストリーの重要性、一般人への教育も繰り返し強調されていた。GISTに関するグローバルレジストリーをサポートしているアメリカのNPOも参加し、その中には日本人のGIST患者グループの登録も紹介されていた。

オーファンドラッグの開発が少なくともここまで進んできた背景には、研究機関や患者やその家族とのパートナーシップも貢献しているという。例えば、バイオバンクへの患者の検体提供などの推進により、今まで診断されていなかった疾病も一定の割合で治療見通しがつくことも分かってきた。テレメディスンを利用した遠隔相談や治療へのアドバイスも積極的に利用できるリソースであり、また治験に関しても少数の患者では1各国では難しいのでグローバルでの患者の参加も提唱されており、今後はどの疾病で世界のどの施設が中心になって実施しているのかが分かれば、日本人でも十分に対応可能であろう。

そのためには、特に遺伝疾患に関する医師の存在をもっと公開していくべきかもしれない。

製薬メーカも今までは利益追求の点からあまり積極的には手を付けたくなかった領域ではあるが、色々な優遇条件などが追加されビジネスとしての見通しも立ってきた。

今回NIH(米国)機能で印象的だったのは、「診断されていない疾患プログラム」を持つ部署があり、この7年間で世界中から7500件の問い合わせがあり、2800件に関して詳細な医療情報が寄せられ、そのうち780人がNIHのクリニカルセンターで検査を受け25%の患者の診断がついたという。日本では京大の先生方とコラボしているそうだ。ICORDは来年は、南アフリカで実施される。このようにカンファレンスの実施地を世界中に回すことで少しでも希少疾患の認知を広げたいと願っている。

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