「医療経済」掲載中:希少疾患・オーファンドラッグの動向を求めてメキシコへ

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秋の気配が心地よく感じられる日本からちょっと離れ地球の裏側にあるメキシコに

行った。今回の目的は、ICORDという希少疾患とオーファンドラッグの国際カンファレンスに参加するためである。ちなみにメキシコシティは海抜2000mの高地にあるが、酸素は十分、むしろ交通渋滞のスモッグが著しい場所である。

2年ほど希少疾患の製品やマーケティングその周辺の動きを追いかけてきた。「グローバルでは希少疾患はどのように扱われているのか?」といった単純な疑問もあったが、今回メキシコ国内・ラテンアメリカ・グローバルと3つの学会が合わせて行われたことも興味深かった。2年前は日本で実施されたICORDであるがその時には「ゆきわり草憲章」というものが発表されている。アジアからの参加者は少なく、日本からは私を含めて2名、中国からは政府関連の方、メーカに勤務する人、大学で公衆衛生を先行している大学院生など日本より多かったのだが、総勢10人も満たなかった。特にアセアンからの参加者は皆無であった。せっかくインドでは希少疾患についてグローバルな動きが始まったのだが。

今回の会議のハイライトを簡単に紹介したい。日本では希少疾患に加えて難病という言葉も使用されているが、グローバルではレア・ディジーズという言葉で一般的に汎用されている。ただし、その定義について対人口での罹患率として、決まっているのがアメリカ・ヨーロッパ・日本の先進国3か国ぐらいで他の国、ラテン系の国々ではしっかりとした定義は決まっていないようであり、特にメキシコはこの領域は米国より22年以上遅れているということだった。しかしながら参加している人たちの中には家族もいたり、患者会の代表の人もオーガナイザーとして入っていたりさすがラテンの国で、未来は明るく、グローバルでのネットワークをどんどん築いていこうといった活気が感じられた。

特に、心を打たれたのはコロンビアの女性医師の発表で、遺伝性血管浮腫についての疾患治療の説明の後、自らの家系がこの遺伝性疾患であり実は自分も患者であることを発表し、

コロンビアという希少疾患の対応に関してはまだまだ遅れている国で、日夜頑張っている姿だった。このような状況を見るとやはりこの領域はグローバルのネットワークが必須だと強く感じる。創薬にしても1か国という狭い枠の中ではなく、世界を視野に入れて患者を救うといった認識が求められる。

余談だが、つい最近PMDAが「さきがけ審査」6品目を発表した。胃癌治療薬(MSD)、

インフルエンザ治療薬(塩野義)、急性骨髄白血病治療薬(アステラス)、血管線維種(ノーベルファーマ)、デュシエンヌ型筋ジストロフィー(日本新薬)、遺伝性血管浮腫の薬剤である。特に後者3つは治療現場では、患者のQOLも含めて待ち望まれている希少疾患の薬剤だ。「地球上のあらゆるところに該当する患者がいる」ということが治療薬として本当の意味での大きな価値になると強く感じている。

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